OSHAとは?労働安全のために知っておくべき基礎知識

仕事をするうえで「安全の徹底」や「衛生環境の整備」は、そこで働く従業員のための必須項目です。1970年にアメリカ合衆国で制定された「労働安全衛生法」はまさに、働く人の命と安全を守るために作られた法律といっても過言ではありません。そしてこの法律を施行しているのは「OSHA」という連保機関です。

今回はその「OSHA」について詳しく解説します。

OSHAとは「労働安全衛生庁」のこと

OSHAは、アメリカ合衆国労働省機関の1つで、「労働安全衛生庁」のことを指します。1970年12月29日にリチャード・M・ニクソン大統領が署名し、成立した「労働安全衛生法」とともに設置されました。

OSHAは主に以下の7つの活動を行っています。
1.職場のハザード(危機的行為や要素)の低減
2.安全遠征管理システムの導入促進
3.安全や衛生に関する義務基準の作成
4.職場の危険防止に関する支援やアドバイス、相談事業
5.ハザードに関する必要に応じた通告や罰則の施行
6.安全衛生に関する教育支援、共同プログラムの策定
7.労働環境の整備

これらの活動は、アメリカ合衆国における職場の死亡者数を62%減少、また労働災害や疾病の発生率を40%減少させたという実績を残しています。

OSHAとNRTLの役割の違いは試験の実施を要求するか・行うか

上述したようにOSHAは労働安全衛生法に基づき、労働環境に関する整備や支援、通告などの活動を行っています。そうすることで「安全な職場環境」を確保しているのです。支援業種は多岐にわたり、建設や一般産業向けの電気製品に対しても支援や整備、規格に基づいて安全試験や認証を行っています。

ただし、安全試験や認証機関を行うのはOSHAではなく「NRTL(National Recognized Testing Laboratories)」と呼ばれる民間の機関です。この機関はOSHAが特定した電気製品をOSHAの規格に沿って試験、認証を行います。

つまり、OSHAとNRTLの違いは以下のとおりとなるのです。
*OSHA:特定の電気製品に対し安全・認証試験の実施を要求する
*NRTL:OSHAが特定した電気製品に対して安全・認証試験を行う

21のパートに分かれるOSHAが制定した規格

OSHAが制定した規格は21個のパートに細かく分かれています。[注1]
*A:一般
*B:国家規格
*C:安全一般および健康に関する規定
*D:作業面、歩行面
*E:出口
*F:プラットホーム
*G:職場環境
*H:危険な材料
*I:保護機器
*J:環境管理
*K:医療と応急処置
*L:火災防護
*M:圧縮ガス/エア応用機器
*N:材料の取り扱いと貯蔵
*O:機械の柵
*P:手持ち式動力機器
*Q:溶接と溶断
*R:特殊産業
*S:電気
*T:潜水作業
*Z:有害物質

この中でも、医療分野では1991年に制定された「血液媒介病原体基準」が有名です。これにより、血液や体液、感染性のある物質に対する暴露防止の徹底や制限が見直されました。建設業では、アスベストやカドミウム、ホルムアルデヒドなどの有害物質に関するガイドラインが策定されています。ほかにもどの事業でも当てはまる「転倒、転落防止」「機械・機械保護」「眼と顔の保護」などもOSHAの規格に含まれているのです。

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日本の労働安全にもOSHAの規格は欠かせません。特に医療現場では「感染物質暴露防止の徹底」、建設や農業では「有害物質の基準作成」などは人体に過大な影響を及ぼしてしまう危険があるからです。現場の最前線に立つ労働者にとって一番大事なのは、給与や待遇ではなく長く働き続けられる環境です。つまり安全であることを忘れないようにしましょう。

[注1] 株式会社フジセーフティ・サポート:血液媒介病原体基準 (http://fujisafety.jp/files/case/JS1-No7.pdf)より