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光ファイバーのシングルモードとマルチモードの違いを詳しく解説

インターネット通信などに用いられる光ファイバーは、光ファイバーの内部を伝搬する光の経路(モード)によって、シングルモードとマルチモードの2タイプにわかれています。

モードによって伝送性能や価格に違いがありますので、光ファイバーを引くときはモードごとの特徴にも注意する必要があります。

ここでは光ファイバーのシングルモードとマルチモードの違いと、正しい選び方について説明します。

大容量&長距離伝送に適したシングルモード

シングルモードとは、光が光ファイバーの中心部のみを通るモードのことです。

クラッド径は125μmですが、コア径は9~10μm程度と小さく、光の伝搬モードは1つしか存在しません。

単一の波長がコアを通過することで中心に集約する仕組みになっており、異なる光の干渉を受けたり、重複したりするリスクがないところが特徴です。

 

シングルモードのメリット

シングルモードのメリットは大きく分けて2つあります。

1つ目は、伝送損失が小さいことです。

極小のコア径を通る光は、屈折や反射による分散が比較的小さく、長距離伝送でも信号が傷つく心配がありません。

最大40km程度までなら、伝送損失を最小限に抑えたまま光を伝えることができるため、長距離伝送に適しています。

そのため、一般的な光通信にはシングルモードの光ファイバーを用いるのが主流です。

2つ目はデータの通信速度です。

シングルモードは伝送損失が少ないぶん、1度に大容量のデータを伝送できるため、安定した高速通信が可能です。

 

シングルモードのデメリット

シングルモードのデメリットは、コア径が細く、折り曲げに弱いところです。

また、ケーブルの接続には専用の器具を使って加工・融着接合しなければならないため、取り回しにやや難があります。

さらに大容量のデータを長距離かつ高速で伝えるために、純度の高い石英ガラスが用いられていることから、光ファイバーそのものの価格が割高です。

安価で曲げに強いマルチモード

マルチモードとは、光の伝送経路が複数ある光ファイバーのことです。

外径は125μmで統一されていますが、コア径が50μmや62.5μmと大きく、多種類のデータを伝送できる仕組みになっています。

マルチモードは、内部構造によってさらにグレード・インデックス(GI)型と、ステップ・インデックス(SI)型の2タイプに分類されます。

GI型は別名「屈折率分布型」とも呼ばれており、中心から離れるほど屈折率が小さくなるため、徐々に光がコアに集約されていきます。

一方で、光の速度は中心から離れるにしたがって速くなることから、入射角による到達時間の差が出にくいところが特徴です。

そのため、シングルモードほどではありませんが、中距離程度なら安定した高速通信が可能です。

SI型はコアとクラッドの界面だけで屈折率が不連続に変わるタイプのマルチモードです。

ただ、光の入射角によって、端から端まで到達するまでの時間にタイムラグが発生するため、伝送距離が長くなるほど波形が崩れてしまうという欠点があります。

 

マルチモードのメリット

マルチモードのメリットは、コア径が太く、シングルモードに比べて折り曲げに強いところです。

精密な加工技術は不要で、光ファイバー同士、または光ファイバーと機器との接続も容易なので、楽に取り回せます。

また、シングルモードより安価に製造できるため、コストを節約できるところも利点です。

 

マルチモードのデメリット

マルチモードのデメリットは、全反射を繰り返しながら進むため、モード間によって伝搬速度に違いが生じることです。

とくにSI型の場合、斜めに入射した光と、真っ直ぐ入射した光では、端から端まで到達するまでの時間に差が生じるため、信号波形が崩れやすくなります。

GI型は多少光の分散を抑える仕組みになっていますが、長距離かつ大容量の伝送には向かないため、社内のLAN配線など、中距離かつ中容量の伝送向きといえます。

シングルモードとマルチモードの正しい選び方

シングルモードとマルチモードの最大の違いは、伝送損失の大きさにあります。

1つの経路しかないシングルモードは、波長が単一で、光が分散しにくいため、長距離でも安定した大容量通信が可能です。

一方、マルチモードはコア径が太く、光が反射しながら多数のモードで伝送されるため、伝送損失が大きくなります。

伝送損失は距離と比例して大きくなるため、中距離以下でないと通信の質を保つことはできません。

ただ、折り曲げへの耐久性やコストはマルチモードの方が優れていますので、社内LANの構築など、短・中距離の伝送ならマルチモードを選択したほうが施工・コスト面のメリットが大きくなります。

大企業など、多くの方向からトラフィックが集まるネットワークやバックボーンには、高速かつ大容量通信が可能なシングルモードがおすすめです。

 

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光ファイバーにはシングルモードとマルチモードの2タイプがあり、前者は長距離、後者は短・中距離の伝送に適しています。

通信性能はシングルモードのほうがうえですが、マルチモードは耐久性と経済性に優れていますので、用途に合わせて適切なモードを選択することが大切です。

どちらのモードを選べばよいかわからない場合は、プロ向けの高性能&高耐久性ソリューションの開発・製造に定評のあるパンドウイットコーポレーションまでご相談ください。