PoE給電とは?その仕組みをわかりやすく解説

近年防犯や子どもの安全のため、屋内にカメラを設置する人が増えてきました。そんな中で注目されているのが「PoE給電」です。

この記事では、PoE給電の概要と仕組みについて解説していきます。

PoE給電とは?

PoE給電とは「Power over Ethernet」の頭文字をとったもので、コンセントからではなくLANケーブルによって電源を確保するシステムのことです。PoE給電により電源がなくてもさまざまな製品を設置・使用することが可能となります。

PoE給電の活用例をご紹介しましょう。

 

電源の追加工事不要で天井に防犯カメラを設置できる

防犯カメラを設置するためには電源が必要ですが、天井に電源があることはほとんどありません。防犯カメラから延長コードを伸ばして壁のコンセントにつなぐ方法もありますが、アダプタが必要だったり配線が増えたりして作業が難しくなることもあります。

結果として電源を壁から取れるように複数台のカメラを購入せざるをえなかったり、予算の関係からカメラそのものを設置できなくなったりするかもしれません。

しかしPoE給電を利用すれば、すでに天井裏に配線されているLANケーブルを用いてカメラの電源を取ることができます。電源を新たに設置する大規模な工事が必要なく、カメラについているコードが届く範囲で給電できるので非常に便利です。

 

照明など多数の電気機器にも活用できる

PoE給電で照明を使用する場合には、LANケーブルを通して部屋やオフィスのデータを収集することで、より効率的な照明の使い方ができます。

照明やルータ、IP電話、パソコンなど多数の機器を使用したいときにもPoE給電があるとより多くの機器を同時に使用可能です。

PoE給電の利用によって、コンセントの工事が不要になるだけでなく、配線がすっきりする、今まで電源が取れなくて電子機器が設置できなかったところでも設置が可能といったメリットがあります。

PoE給電の仕組み

PoE給電の仕組みは、LANケーブルの中にある信号線によって電力を供給するという単純なものです。したがって、LANケーブルだけでさまざまな機器に給電することが可能となります。何か特別な設定をする必要がないので、接続が非常に簡単であることも大きなメリットです。

単純にPoE給電に対応しているネットワークハブにLANケーブルを挿し、反対側をパソコンなどの機器に挿し込むだけです。PoE給電に対応しているネットワークハブには、給電機能に対応していることを示す黄色いラインが付いています。

さらにPoE給電に使われるLANケーブルは、カテゴリ5e以上の製品が必要です。加えてPoE給電を利用する際には規格にも注意を払わなければなりません。

「PoE」と表現されるのは「IEEE802.3af」という規格で、給電電力は最大15.4Wです。一方で「PoE+」と呼ばれる「IEEE802.3at」という規格は、最大供給電力が30Wとなっています。2018年には新たに「PoE++」とも呼ばれる「IEEE802.3bt」が誕生し、最大90Wまで電力を供給できるようになりました。

電子機器を使用するためには、受電側の必要電力よりも供給電力の方が大きくなければなりません。PoE給電では電子機器の必要電力もよく確認しておく必要があるでしょう。

PoE給電が使われる装置

PoE給電はコンセントがない場所でも電子機器を設置できる便利な方法ですが、具体的にどのような機器が使用できるのでしょうか。

 

監視カメラ・Webカメラ

カメラは屋外や天井など、コンセントがない場所で用いられることが多いため、PoE給電がよく利用されます。カメラの接続に必要なLANケーブルを使って電源が確保できるため、どこでも気軽に設置できるようになっているのが魅力です。

ただしPoE給電に対応しているカメラを購入する必要があります。

 

無線LAN・ルータ

PoE給電に対応している無線ランやルータを使えば、配線がスッキリします。ルータの配線を床や壁に這わせるのは嫌だという方は、PoE給電を使ってストレスの少ない配線を実現できるでしょう。

 

照明

家やオフィス内の照明についても、PoE給電を利用することが可能です。

とくにLED照明を使っているのであれば、PoE給電によって電力伝送効率が向上し、すでに構築されているネットワーク接続を利用できるという大きなメリットがあります。消費エネルギーの削減や安全性・快適性の向上なども見込め、これから利用者が増えていくことも予想されています。

 

IP電話

IP電話はインターネット・プロトコルを利用した電話サービスです。ネットワーク接続と電源の両方が必要となるサービスですが、PoE給電を使えばIP電話もコンセントなしで使用できます。

通話料金が非常に安いのが魅力的なIP電話ですが、PoE給電によりさらに利用しやすくなることでしょう。

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LANケーブルを使ってネットワーク接続をしている家やオフィスであれば、PoE対応の機器を購入するだけでPoE給電を利用できます。PoEで給電すれば安全で安定した電力供給ができ、さまざまな電子機器をコンセントなしで使用することが可能になるでしょう。

ただし、供給電力と必要電力のバランスには気を配って、容量オーバーにならないよう注意することが必要です。ぜひPoE給電を使って、さらに便利な生活や業務を体験してみてください。