光ファイバーの全反射の仕組みをわかりやすく解説!

通信技術を大きく前進させたアイテムのひとつが、光ファイバーです。日々の生活でも耳にすることがある光ファイバーですが、全反射という現象が利用されています。

この記事では、光ファイバーの全反射の仕組みについて解説します。

光ファイバーの全反射の仕組み

光ファイバーの中心にはコア、その周りにはクラッドという物質があります。光ファイバーの全反射の仕組みで重要なのは、コアとクラッドの屈折率が異なるという点です。

2つの屈折率の異なる物質を光が通り抜けようとすると、2つの物質の境界面で光が進む角度が変わります。

たとえば、異なる屈折率の物質AとBがあるとします。2つの物質の屈折率が異なる場合、AからBにある角度で光が入ると、光はBに入ってからは異なる角度でBの中を進んでいくのです。

そしてある一定角度以上になると、光はAからBには進入せず、境界面ですべて反射します。これが全反射という現象です。

光ファイバーの場合、コア内を進む光がクラッドに進入せずコアの壁に反射して進んでいくので、情報が遠くまで伝達できます。電気信号化された映像や音声が、光ファイバーの全反射によって伝達されていくので、長距離でも情報のやり取りができたり、動画の視聴ができたりするのです。

光は非常に速く進むので、光ファイバーを使えば高速での通信も可能です。もちろんコア内を進む光が全反射を繰り返すほど、光の進む速度は遅くなり、情報の損失も大きくなります。そのためこうした課題を克服するために何種類かの光ファイバーが開発されてきたのです。

光ファイバーの全反射とは?

光ファイバーには全反射という現象が使われていますが、そもそも全反射とはどのような現象なのでしょうか。

全反射とは、光がある物質Aから屈折率の異なる物質Bに入ろうとしたとき、一定の進入角以上になると境界面ですべて反射してしまうという反射の一例です。水中で泳いでいて、浮かび上がろうとしたとき、水面から空が見えていたはずなのに水面に近づくとプールや海の底が反射して見えるのは全反射の一例です。

これは、水と空気で屈折率が異なるために起こる現象です。もちろん水と空気以外でも全反射を起こすことは可能です。たとえばダイヤモンドは空気と屈折率が異なります。

ダイヤモンドは、水よりもさらに小さい進入角で全反射を起こすという性質があります。そのため、カット方法を工夫することでよりキラキラと輝く加工が行えるのです。

ダイヤモンドほどではありませんが、光ファイバーではコアとクラッドに石英ガラスを使って全反射を起こしています。コアの中を通る光は、コア内の壁で全反射して外に出ることなくコア内を進んでいきます。

これにより、遠く離れた場所まで通信を行うことができるのです。光ファイバーでは全反射を利用しているので、コアやクラッドで用いられる材質の違いによって性能が大きく変わります。

それでは、光ファイバーに用いられる材質ごとに、特徴を見ていきましょう。 

 

1.     石英系ファイバー

高品質な通信が求められる場所に使用されるのが、石英ガラスです。

寸法精度や伝送損失の少なさなど、あらゆる点で優れている一面、高価です。

 

2.     多成分ガラス系光ファイバー

比較的安価で、しかも量産しやすいため、広く用いられている光ファイバーです。

一方で石英系ファイバーと比較すると伝送損失が大きいというデメリットがあります。

 

3.     プラスチック光ファイバー

コアやクラッドにプラスチックを使用しても、全反射が起こることが分かっています。

そこでプラスチック光ファイバーも使用されています。

コアの直径が石英系ファイバーや他成分ガラス系光ファイバーよりも大きいので、接続しやすい特徴があるうえ、石英などの高価な素材を使っていないので安価です。

ただし伝送損失は大きく、他成分ガラス系光ファイバーと比較しても4倍かそれ以上の損失があります。

そのため全反射による損失が大きくなる長距離の接続には不向きで、短距離の接続に用いられることの多い光ファイバーです。

光ファイバーの全反射の仕組みが光ファイバーの原点

このように光ファイバーは全反射という仕組みを用いることによって、より速く、より遠くまで電気信号を伝えることができるものです。

1900年代後半から研究が進められ、日本企業の努力によって情報損失の少ない光ファイバーの作製が成功しました。それ以後光ファイバーは進化を遂げていき、現在では日常生活や企業活動になくてはならないものとなっています。

海外の企業とリモート会議ができたり、動画が視聴できたりするのは、全反射を利用した光ファイバーのおかげです。まさに光ファイバーにとっては、全反射の仕組みこそが原点なのです。

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光ファイバーの技術は年々進化しており、できるだけ伝送速度が速く、伝送損失の少ないものを開発しようと企業が努力を傾けています。

確かに高度な技術が用いられている光ファイバーですが、その技術の根源は、日常生活でもよく目にする全反射というありふれた現象なのです。光ファイバーを選ぶ際には、その技術に全反射が利用されていることも理解しておきましょう。