空港や駅のITインフラは必須? 公共交通機関にITインフラを整える必要性やメリット|LANケーブルと結束バンドのことなら|パンドウイット

空港や駅のITインフラは必須?
公共交通機関にITインフラを整える必要性やメリット

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

空港や駅は多くの人々や物資が行き交い、安全かつ効率的に利用できることが求められます。現在、多くの空港や駅は老朽化による解体や建て替えなどが必要になっており、改修と併せてITインフラの見直しを行うことが利便性を高めるために必要です。利便性を高めることは現場で働く従業員だけでなく、利用者にも多くのメリットがあります。

今回は現在空港や駅などの公共交通機関で挙げられる問題点及び、ITインフラを整える必要性についてご紹介したいと思います。

現在の駅や空港が抱える問題

・老朽化の問題
駅や空港の多くは高度経済成長期に建てられたもので、老朽化が問題になっています。

国土交通省が調査した、国・都道府県・政令指定都市が建てた建築物「経年別の延床面積の割合」を見てみましょう。

● 10年未満=9.8%
● 10年以上20年未満=22.9%
● 20年以上30年未満=20.8%
● 30年以上40年未満=25.8%
● 40年以上=20.7%

築20年以上の建築物の割合は65%以上です。このように、駅や空港をはじめとする日本の公共施設は老朽化が進んでおり、建て替え・改修の必要に迫られています。

空港であれば、滑走路・誘導路などの「空港土木施設」の老朽化により、航空機の運航に影響を及ぼす事例が毎年のように発生しています。

また、鉄道事業者の多くは開業後70年以上の期間が経過しており、駅・橋・トンネルなどの構造物はすでに耐用年数を超えている状況です。

今後、駅や空港の改修・維持管理コストが増大していくことが予想されます。

・耐震補強の課題
駅・空港の老朽化により、耐震補強の課題も浮かび上がっています。首都直下地震・南海トラフ地震に備え、主要駅や高架橋などの耐震補強をしなければなりません。国は震度6強以上の想定地域で1日1万人の乗降がある駅に対して、耐震補強の努力義務を課しています。

・地下鉄の場合は浸水防止策が必須
頻発するゲリラ豪雨や台風被害に備えて、地下鉄では浸水防止策も必須となっています。

地下鉄では以下のような浸水対策が必要です。

● 止水板
● 防潮扉
● 浸水深に応じた出入口整備(腰壁嵩上げなど)
● 止水壁
● 排水設備
● 駅構内の防水ゲート
● トンネル内の防水ゲート

多くの場合、地下鉄の駅は地下街・ビルの地下階とつながっています。そのため、浸水防止対策は鉄道事業者のみでは実現できません。鉄道事業者・地下街管理者・ビル管理者などが連携し、対策を講じる必要があります。

・既存のIT機器も老朽化による見直しが必要
駅、空港の既存のIT機器やネットワークも見直しが必要です。

鉄道の情報ネットワークには、「列車や駅・踏切・指令所をつなぐ通信ネットワーク」「列車無線システム」などがあります。

しかし、駅や列車の老朽化に付随して、これらのネットワーク系統の老朽化も懸念されています。伝送能力が陳腐化している可能性もあるので、ITインフラの見直し・ネットワークの高速化を検討する必要があるでしょう。

駅や空港にITインフラを整える必要性

駅や空港がなぜITインフラを整える必要があるのかを解説します。

・スマートフォンの普及による情報伝達の変化

利用者は情報取得にスマートフォンを使うため、駅や空港は効率的な情報伝達のためにITインフラを整える必要があります。

たとえば鉄道利用者の多くは、「乗り換え案内アプリ」を使って電車を利用します。また、列車の遅延に関しても、「運行情報アプリ」を使って情報取得しようとします。

利用者がスマートフォンをメインに情報取得しようとする以上、鉄道事業者はITインフラを整備して早く正確な情報を伝達する必要があるのです。

・多言語化やバリアフリー化への対応
バリアフリー化、駅や空港の表示案内の多言語化にもITインフラが必要です。超高齢社会に突入した日本において、公共交通機関のバリアフリー化は大きな課題となっています。

また、2014年(平成26年)3月には、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」も策定されました。アジア圏の国々の経済成長に伴い、日本を訪れる外国人の数も年々増加しています。観光立国として「おもてなしの国 日本」を体現するためにも、鉄道駅の多言語対応は重要視されているのです。

・防災対策
防災対策のためにも、老朽化したITインフラを新しくする必要があります。

現在の日本は、異常気象による豪雨や首都直下地震など、いつ大災害が起こるか分かりません。データセンターに繋ぐネットワークの断線、サーバーのハードウェアの被災により、完全にシステムダウンしてしまう可能性もゼロではないのです。

駅や空港のITインフラを見直し、災害に強いITインフラを整備しておく必要があります。

・ICカードの普及による変化
JR東日本のSuicaをはじめとするICカードの普及により、各駅はICカード対応のITインフラを構築する必要があります。

地方にはまだまだICカード未対応の駅もあるため、駅の改修に伴ってICカードに対応したインフラ構築を検討しなければならないでしょう。

・MaaSへの関心が高まっている
現代は、人々が好んで使う「アプリ」によって交通のサービスや制度が変えられていく時代です。利用者の関心がMaaS(Mobility as a Service 〜モビリティ・アズ・ア・サービス〜)に高まっていることで、その流れはさらに加速すると見られています。

<MaaSとは>
MaaSとは、世の中に存在するすべてのモビリティ(移動手段)を、ひとつのサービスへと進化させる概念のことです。例えば乗り継ぎで、電車・バス・飛行機など複数の交通手段を利用して移動する場合を考えてみましょう。

現在、移動ルートの総合検索は簡単になってきていますが、予約・運賃の支払いなどは手段ごとに行う必要があります。もし、スマートフォンなどで「検索・予約・支払」を一括して行うことができれば、ユーザーの利便性は大幅に高まることになるでしょう。

また、MaaSによって移動手段がシームレスになれば、都市部での交通渋滞・環境問題なども解決できる可能性があるといわれています。

<海外の事例>
MaaSの成功事例の1つは台湾です。

台湾南部の都市「高雄」では、MaaSアプリ「Men-GO(メンゴー)」が広く利用されています。月額約6,000円のプランで、バス・タクシー・MRT(地下鉄)・LRT(次世代型路面電車)・シェアサイクルなどが乗り放題です。さらに、アプリ内で目的地を入力すれば、最適な経路も案内してくれるのです。

日本でもJR東日本をはじめ、トヨタ自動車株式会社とソフトバンク株式会社が共同でMaaS事業を進めています。日本の駅や空港もMaaSに対応したITインフラを整備していく必要があるでしょう。

駅や空港にITインフラを整えるメリット

 

駅や空港のITインフラを整備することで、様々なメリットがあります。

・車両の故障予知やメンテナンスの効率化
ITインフラを整えれば、車両の故障予知が可能になります。

たとえば、以下のようなシステムです。

1. 列車の車両制御情報管理装置が車両に搭載された機器から動作データを収集
2. 高速大容量無線通信でクラウド上のデータセンターに動作データを随時伝送
3. 伝送された動作データを基に、データ分析サーバーが故障予兆を自動検知
4. アラームとともに関係部署へ通知

また、この動作データと過去に発生した故障データパターン・機器・部品の使用実績を照合すれば、機器・部品の寿命診断も可能になります。ITインフラを整えれば、機器・部品交換の最適な時期を割り出し、メンテナスを効率化できるのです。

・ダイヤ変更時の情報共有手段として活用できる
ダイヤ変更時の情報共有にもITインフラは活躍してくれます。

異常発生によるダイヤ変更時、利用者の一番のストレスは「再開時期や迂回路の有無などの情報伝達が適切に行われないこと」です。これは、鉄道側の情報収集・情報共有がスムーズでないために起こります。

多くの場合、異常発生時の情報共有は以下のように行われます。

1. 作業員が現場の様子をカメラで撮影
2. 現場から事務所へ移動
3. 撮影したデータをPCに取り込み、ファイルサーバーへアップロード

これでは、鉄道側が状況把握するだけでも30分以上はかかってしまいます。ITインフラを整えてシステムを構築することで、ボタン1つで現場の写真や動画を共有し、異常時の早期復旧対策が可能になります。

・運送の効率化
鉄道はITインフラを活用した3つのシステムで運送を効率化しています。

1. 運行管理システム
2. 輸送計画システム
3. 電力管理システム

さらに、ITインフラは将来的に「オンデマンド運行」を可能にするかもしれません。

たとえば、混雑状況などをリアルタイムに共有することで、必要に応じて電車の本数を増やして利用者の満足度を上げることもできるのです。

オンデマンド運行が実現されれば、運送の効率をさらに上げることも可能となります。

・窓口業務の効率化
空港においては、自動チェックイン機(CUSS)や自動手荷物預入機(CUBD・SBD)の導入により、窓口業務の効率化が可能です。

また、手荷物がない場合の事前Webチェックインや、チェックインと手荷物の預け入れのプロセス分離なども窓口の業務効率化につながります。

これらも、ITインフラの整備で実現可能になるのです。

・備品類の管理の効率化
物品管理システムのようなITインフラを導入することで、備品類の管理も効率化できます。適正な備品管理ができればコスト削減にもつながるでしょう。

また、空港の車イスのような「貸し出し製品」も、スマートフォンやアプリで現在位置が分かるようにすれば紛失・行方不明などのリスクを軽減できます。

・将来的には自動運転も可能に?
ITインフラの整備で、将来的には自動運転も可能になるかもしれません。

鉄道では、踏切のない路線などですでに試験的に取り入れられています。また、空港では旅客送迎や乗務員送迎用バスへの自動運転実装に向けて動いている企業もあるようです。いずれにせよ、自動運転が実現されれば、大幅なコストカットと業務効率化に繋がるでしょう。

・利用客のメリット
ITインフラの整備は、利用客にも様々なメリットがあります。

たとえば、空港内で利用者を目的地まで案内してくれるスマートフォンアプリなどのシステムを構築することもできるでしょう。また、新しいサービスで注目されているのは、空港の税関検査場の電子申告ゲートです。以下の手順で税関検査場の待ち時間を軽減することができます。

1. 税関申告アプリで必要情報を登録、QRが生成される
2. 税関検査場の電子申告端末にQRとパスポートをかざす(手荷物を待っている間に)
3. 端末機に設置されたカメラで顔を撮影
4. 手荷物を受け取ったら、電子申告ゲートを顔認証でパス

電子申告ゲートはあくまで一例ですが、ITインフラの整備は利用客のストレスを軽減し、満足度を高めることにつながります。

駅や空港にITインフラを整える際に必要なこと

駅や空港のITインフラを整えるにあたって必要なことがあります。

・セキュリティの向上
ITインフラを整備するには、強固なセキュリティ対策が必要です。

具体的には以下になります。

● Wi-Fi のセキュリティ対策

● ホームページのセキュリティ対策
● 座席予約システム等のセキュリティ対策
● 重要システム(列車運行管理システム、電力管理システムなど)のセキュリティ対策
● 組織のセキュリティ対策

利用者に安心・安全に駅・空港を利用してもらうためにはセキュリティ対策は不可欠です。

・定期的な適用状況の見直し
ITインフラのセキュリティ対策は、定期的に適用状況を見直す必要があります。国土交通省の定めた「安全ガイドライン」に沿って点検し、必要に応じて対策を講じていかなければなりません。

・災害への対策
災害の際にデータセンターへのアクセスができなくなるようなことがないように、ITインフラを構築する必要があります。

「データセンターへのアクセス回線の二重化」や「外部データセンターサービスの活用」なども視野に入れておく必要があるでしょう。

・適切な情報提供
これから駅・空港がITインフラを整備する際は、いかにして適切な情報提供を可能にするかを考えなければなりません。

特に、鉄道利用者が最も必要とする情報は「その時々の最新の運行情報」「ダイヤが乱れた場合の運行状況や代替ルート」です。利用者の一人ひとり、目的地も状況も異なるため。 リアルタイムの復旧予測や利用者ごとの目的地に最適化された代替ルートの提案などが必要です。

これからの時代、パーソナライズ化された情報提供を前提としたITインフラを構築していかなければならないでしょう。

まとめ

ITインフラの整備には、専門のサービス会社を利用することがおすすめです。

時代は5G・Wi-Fi 6など10Gbpsの通信速度に移行しています。有線LANも10Gbpsに対応したCat6Aが必要です。

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