病院のITインフラを整えるメリットは多い!現状や必要性をご紹介します|LANケーブルと結束バンドのことなら|パンドウイット

病院のITインフラを整えるメリットは多い!現状や必要性をご紹介します

※この記事は製品や技術にまつわるお役立ち情報=豆知識を意図しておりますことから、弊社製品以外の製品や市場一般に関する内容を含んでいることがあります

多くの分野でITインフラが整えられつつある現代において、医療分野ではまだ十分なITインフラが整っているとは言えません。理由は様々ありますが、病院の老朽化が原因として挙げられています。老朽化が原因でITインフラが整わないというのは不思議かもしれませんが、病院とIT技術は今までよりも密接した関係にあり、老朽化の対策と同時にITインフラを整えることが非常に重要です。

今回は病院のITインフラを整える必要性や、病院の老朽化による問題などについてご紹介いたします。

近年では老朽化による病院の建て替えが増えている

近年、多くの病院で老朽化による建て替えが進んでいます。では、建物の老朽化が進むことによる問題にはどういったものがあるのでしょうか。

 

・病院の建て替えが増えている理由

病院は、安全な環境や最新の医療を提供するために、築30~40年を目安に建て替えが必要です。現在、病院の建て替えが増加しているのは、建設ラッシュが起こった時期に関係しています。

戦後の日本では、1948年に医療法が制定され、多くの病院を建設する動きがありました。その後、1985年の第一次医療法改正で病床数の規制が定められ、地域の病床数の基準を超えて新たに病院を設置することが原則不可となります。病床数規制が決まった時期は、戦後の建設ラッシュで建てられた病院が建て替えを迎える時期であったことも相まって、規制の実施前に「駆け込み増床」が起こりました。このように1985年頃に多くの病院が建設され、それらが現在再び建て替えの時期を迎えています。

他にも築年数だけではなく、2011年の東日本大震災以降、防災への関心や理解が高まっていることからも立地場所の安全性や建物の耐久性が追求され、建て替えを検討する動きが活発になっています。

さらに、患者数の減少や人員不足などにより、経営難に陥っている複数の病院を統合して再生を図る動きもあり、そのようなケースによる建て替えも見られます。

 

・病院の老朽化による問題

病院には、患者が安心して快適に過ごせる環境や、信頼できる医療の提供が求められています。こうした理想の環境や医療の提供を実現するうえで大きな課題となっているのが、建物の老朽化です。

老朽化した病院は、患者や医療従事者からの印象が悪くなりやすいため、信頼度が低下や患者数の減少や人員不足などを引き起こしています。また、大きな災害が起きた場合には建物の損傷などの被害が大きくなることが予想され、安全の確保が難しく、満足のいく医療の提供も困難でしょう。

さらに、印象や耐久性の問題だけでなく、老朽化が原因で最新の医療機器やシステムを導入できないなど、ITインフラの整備を遅らせる原因にもなっています。

 

・すぐに建て替えができないこともある

病院の建て替えを行うために休業することは難しく、仮設病棟を用意するか、もしくは別の土地を確保して新棟を建てることが一般的です。

したがって、建て替えには多くの準備や資金が必要となり、建て替えを決断してからすぐには実行できないということも少なくありません。

こうした状況のため、老朽化の問題を抱えながらも建て替えを先送りにしてさらなる老朽化を招いてしまわないよう、計画的な対策が求められます。

病院にITインフラを整える必要性

日々発展している医療業界において、最新の医療に対応可能なITインフラを整えることは重要です。

 

・「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」とは

「情報化」は医療の発展のために欠かせないものであり、国を挙げて戦略的に進めていく必要性があると厚生労働省が判断しました。そこで2001年に、医療の情報化の実現に向けて、課題や戦略について盛り込んだ「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」が策定されたのです。

このグランドデザインでは、電子カルテ・レセプト電算処理システムの導入に関して、導入率や導入年次の達成目標を具体的に設定して支援措置を講じるなど、医療のIT化推進に向けて本格的に始動する契機となりました。

 

・より良い医療にはITの導入が必要

医療の質を向上させるために、IT化の推進が重視されています。

その理由は、ITの導入によって、医療の効率化や情報共有の環境整備が大きく前進し、医療者と患者の双方にとって有益なものになると見込まれているためです。

医療者のデスクワークを軽減し、診療にかけられる時間を増加させることや、情報共有の効率化によって院内外のチーム医療の向上を図るために、ITは欠かせない存在になっています。

病院にITインフラを整えるメリット

病院にITインフラを整えることで、実際にどのようなメリットがあるのか具体的にご紹介します。

 

・電子カルテの導入

紙カルテに代わって電子カルテを導入することには、多くメリットがあります。

紙カルテは、何人もの患者のカルテを1枚ずつ管理することや、記入することに手間がかかります。さらに、保管のためのスペースも必要です。こうした紙カルテのデメリットを補ってくれるのが電子カルテです。電子カルテは、手書きの紙カルテと比べて作成が容易で、データ上で管理できるため、保管のスペースも心配いりません。また、必要なときにデータにアクセスすることでタイムリーに確認できるため、情報共有を効率よく行うことも可能です。

実際に電子カルテの導入によって作業効率が上がり、診療にかけられる時間が増加したという院の報告や、地域全体のチーム医療や在宅医療にも活用を試みる取り組みなどが見られます。

 

・ペーパーレス化

電子カルテの導入だけでなく、さまざまなデータを紙文書ではなくデジタル化して管理する「ペーパーレス化」の取り組みも進んでいます。

医療現場では、カルテや検査の記録、院内または外部からの文書など、多岐にわたり膨大なデータの管理が必要です。紙文書であれば、必要なデータを探す手間や保管場所の確保などが問題となりますが、ペーパーレス化をしていれば場所や時間を選ばず閲覧できるため、作業効率が大幅にアップするうえに、保管場所に困ることもありません。

 

・安全性の確保

ITの導入は、医療事故の防止に繋がる安全管理に貢献しています。

医療事故の主な原因となるのは、薬剤の誤投与や不適切な処方、患者の取り違え、有効期限の切れた薬剤の使用、誤記載や伝達不足などといった人的なミスです。こうしたミスが発生しやすい場面で安全管理システムを活用し、人のチェックに加えてITによって緻密で漏れのないチェックを行うことで、事故を防ぐことが期待されています。

 

・業務の効率化

IT導入の効果が現れやすいのが、業務の効率化です。

ITインフラが整備されている病院は、データの記入や資料の作成、情報の閲覧や共有、人事や会計など、多岐にわたる事務的作業にかかる時間が大幅に軽減されています。

IT導入による業務の円滑化は、医師や看護師だけでなく、臨床検査技師や放射線技師、薬剤師、手術部に至るまで、病院の機能全体としての効率化や省力化にも繋がります。

 

・経営の効率化

病院を経営していくうえで必要な情報の整理や把握、人事管理の正確化や効率化にもITの活用が必要です。

病院の経営状況を把握するには、外来・入院患者数、病床の稼働率や空床率、待ち時間や待機日数、収益率などといった膨大な数値データを扱う必要があります。また人事管理においては、正確な給与計算・適正な人員配置・看護職員のシフト管理などを効率的に行うことが必要です。こうした経営に必要な数値を含む膨大なデータの管理を正確かつ迅速に行うためには、ITシステムが不可欠といえます。

 

・情報の共有

病院の内外を問わず、情報の共有はチーム医療を向上させるうえで大きな課題です。チーム医療の発展には、迅速で正確な情報伝達が求められるため、ITを駆使した連携が必要とされます。

IT導入によって病院内での情報共有が円滑に行われると、患者の治療方針や病状の把握などを踏まえ、主に当該患者を担当する医師や看護師だけでなく院全体での適切な判断のもと、より質の高い医療を提供することが可能です。

また、ITを活用すれば、病院内だけでなく診療所など他の地域の施設との連携もスムーズに行うことが出来るでしょう。

 

・患者にとってのメリットも多い

病院のITインフラが整うことで、患者にも多くのメリットがあります。

前述のように、ITの導入によって病院側がより質の高い医療を提供できるようになるため、患者の目線から見ても、満足のいく医療を受けやすいです。

また、高度な医療技術に関してだけでなく、サービス面などの向上にも関係しています。例えば、予約システムによって診療前の待ち時間が短縮され、診療後も会計処理や調剤にかかる時間がIT導入によって短縮されることで、よりスムーズな受診が可能です。

またITの活用によって、患者が自身のカルテを閲覧して病状をより明確に把握することや、画像データなどの資料をもとに、治療方法などのわかりやすい説明を受けることなど、インフォームドコンセントなどの情報提供の分野においても貢献しています。

病院のITインフラに必要なこと

病院のITインフラを整えるうえで、必要となる5つのポイントを解説します。

 

1.最新のネットワーク配線を採用すること

ネットワークスイッチやWi-Fi機器は取り替える事で最新機器にアップデートできますが、

配線はそうはいきません。特に病院の場合、院内感染の対策が重要な課題です。院患者がいる室内で、天井を開けての作業や不特定多数の作業員の活動は避ける必要があります。

そのため新病院建築時のネットワーク配線は、そのタイミングで選択できる最新のカテゴリ

配線の採用が重要です。現時点であれば、Cat6A(カテゴリ6A)の採用が推奨されています。

 

2.障害発生時の対応

システム障害が発生した際に大きな混乱を招かないよう、想定されうる障害を見越して適切な対処法をあらかじめ定めておくことが大切です。ITシステムは複雑な要素から成り立っているため、障害が起こることを前提としてシミュレーションを行い、万全に備えておくことが理想とされます。

そして実際に障害が発生した場合には、ITシステムの管理に携わっているIT関連事業者と、ITシステムを運用している病院が連携し、柔軟に最善の対処を行うことが求められるでしょう。

 

3.病院スタッフへの教育や指導

ITを導入する際、これまでの業務のフローが大きく変わることが考えられます。

スタッフへの十分な説明や研修等の機会がないままシステムの導入を急いでしまうと、いくら効率化を図っての導入とはいえ、かえって混乱や連携不足によるミスなどが生じる原因にもなりかねません。

そのため、全スタッフが滞りなくシステムを有効活用できるように、システム導入の意義に見合った教育や指導などを充実させることが大切です。

 

4.個人情報の保護

医療業界ではITの導入以前から個人情報の保護について規定が定められ、厳重な管理体制が整備されてきました。

しかし、ITの導入によって情報がより扱いやすくなった反面、大量の情報を漏えいする危険性が高まり、電子化された情報の取り扱いについては別途規定の見直しや新たなガイドラインの作成が行われました。

その規定とは、厚生労働省が公表している「医療・介護事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」や「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」です。

 

これらの規定では、主に次のような事項が記載されています。

 

  • 患者情報の共有は、原則として患者本人の同意のうえで行うこと
  • 責任の所在を明らかにし、情報を厳重に管理すること
  • 情報に適切なアクセス制限を設けること
  • 定期的にシステムの点検やメンテナンスを行うこと

 

このような、電子化された情報の特性に基づいた規定に準拠して、個人情報保護の適切な措置を講じることが求められています。

 

5.スタッフは完全になくさないこと

受付や会計などにITを導入したからといって、完全にスタッフが不要になるわけではありません。

現状、高齢者などIT機器の操作に不慣れである患者には、スタッフによるサポートが必要となることが考えられます。また、IT機器の不具合等が生じた場合に、迅速に対応できるスタッフも不可欠です。したがって、IT導入後であっても必要最低限の適切な人員配置が求められます。

まとめ

医療者と患者の双方にとって大きなメリットになる病院のITインフラの整備は、専門機関への依頼がおすすめです。

パンドウイットでは、公共施設向けのITインフラ整備を専門に行っております。病院に最適なITインフラ整備は、次世代無線 LAN 「Wi-Fi 6」 に対応する「Cat6A(カテゴリ6A)」 配線の国内シェアNo.1を誇るパンドウイットにご相談ください。

 

🏢導入事例はこちら
👉庁舎建て替え特集
📒製品カタログはこちら

製品の購入に関するお問い合わせはこちら
「庁舎建て替え特集」関連記事
よく読まれている記事
  • Information